こーんにーちはー
堺 エアコン太郎です。
「この広さの事務所でしたら、10馬力の空調必要ですね。」
「10馬力・・・?」
と、なじみない言葉に会話が止まることがあります。
車業界でも死語になっている「馬力」。
そんな馬力の由来と広さ、用途に応じた業務用エアコンの選び方をわかりやすく解説していきます。
なぜエアコンの強さを馬力で表すのか
今ではエアコンは業務用、家庭用問わずほとんどインバーター制御になっていてコンプレッサーの回転数が可変になっていますが、それ以前はコンプレッサの回転数は一定速でした。
そしてエアコンの能力(どれくらいの広さの場所を空調できるか)とコンプレッサーを駆動するモーターの出力はほぼ比例していました。
例えば2.8kwの空調能力(約8畳)のエアコンのコンプレッサのモーターは約1馬力(0.75kw)だったので2.8kwのエアコンを1馬力と呼ぶようになったようです。
「kw」がエアコンの能力を表す正式な単位ですが、カタログにも「〇〇馬力相当」と記載があるように、まだまだ馬力文化が残っています。
馬力は強ければ強いほどいいのか
馬力をただ闇雲に上げれば良いという訳ではなく、その空間や用途に適した馬力がある業務用エアコンを導入するのが鉄則です。最適馬力と呼ばれており、最適馬力の業務用エアコンを導入することで様々なメリットがあります。
必要以上の馬力の業務用エアコンを導入してしまうと、より早く室内の空調を整えることができますが、その分電気効率は悪くムダに電気を使ってしまいます。反対に、馬力が足りないエアコンを導入してしまうと、常に最大出力で稼働させないと理想の温度に部屋を保つことができず、大量の電力=コストが必要なのです。
最大出力でエアコンをフル稼働させていると、エアコンの心臓部とも呼ばれているコンプレッサー(圧縮機)の能力が低下し、温度調節ができなくなります。最適馬力のエアコンを導入し、最適温度を保っていればコンプレッサーに過度な負荷がかからないので、早期故障防止に繋がります。ちなみにコンプレッサー交換は、業務用エアコンの修理工事の中でも1番コストがかかる工事です。場合によっては、取り替えてしまった方が安くすむことになることもあるので室内にあった馬力選定は重要になります。
つまり、できるだけ長く、快適で省エネにエアコンを使い続けるためには、最適な能力(馬力)のエアコンを選ぶことが重要と言えます。
適切な馬力はどうやって選ぶのか
業務用エアコンの能力(馬力)選定の難しさは、単純に広さだけで選べないことです。
能力(馬力)を選定する際には室内の「空調負荷」(熱負荷)を計算します。これは、空調する部屋に出入りする熱量、その部屋内で発生する熱量のことを言います。この空調負荷が高い空間には、能力(馬力)の大きいエアコンを選ぶ必要があります。
同じ広さの空間でも、業種や用途の違いによって、その空間の使い方や熱を発する機器の有無(複合機、PC、厨房機器等)、建物の構造が異なるため、空調負荷が異なります。つまり、業種や用途によって選定するエアコンの能力(馬力)も異なるということになります。
空調負荷(冷房時)を
一般事務所:105~230W/m2
飲食店舗:190~370W/m2
理美容院:230~290W/2
一般商店:160~180W/m2
とし、下記のような表になります。
こちらはあくまで目安となり、機械熱、日当たり、風の流れにより大きな馬力が必要なことがあります。