こーんにーちはー
堺 エアコン太郎です。
HEPAフィルター
もうお馴染みですよね。
空気清浄機のあれです。
そもそもHEPAフィルターがなぜいいのか、
さらに、高性能なフィルターはないのか、
など、今さら聞けないをご紹介していきます。
HEPAフィルターは、空調用のエアフィルターの一種です。
High Efficiency Particulate Air Filter
を略したもので、
日本独自の規格であるJIS規格において、
『定格風量で粒径が0.3 µmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター』(JIS Z 8122)と定義されています。
HEPAフィルターは1940年代に、アメリカ政府によって軍事用として放射性物質の飛散防止を目的に開発されたものです。そのため、HEPAフィルターは完全気密となっていなければ意味がありません。小さな穴でもそこから汚染されてしまいます。さらに外部からの刺激だけでなく通常の使用でもフィルターは破損してしまう可能性があります。そのため、HEPAフィルターは定期的に点検し破損箇所がないかどうか、また気密が保たれているかどうかをチェックする必要があるのです。
空気清浄機はファンなどを使って空気を吸い込み、フィルターを通すことで空気をろ過し、粒子をキャッチする仕組みとなっています。ここで使用されているHEPAフィルターは、空気清浄機の大きさによっては折りたたんだ状態で取り付けられています。フィルターの面積が広ければそれだけ多くのホコリの粒子をキャッチできますが、そうなると機械自体も大きくなってしまいます。また小さな粒子をキャッチするためにフィルターの目を細かくするという方法もありますが、そうなると今度は空気が通り抜けられなくなってしまいます。
空気を通し、空気中の粒子を確実にキャッチするために、蛇腹式に折りたたんだ状態のHEPAフィルターが主流となっています。HEPAフィルターの規格とされる「粒径が0.3μmの粒子」とは、直径0.0003mmの微細粒子のことです。花粉症の原因であるスギ花粉は直径30μmですが、その他の花粉は平均して直径10μm、またハウスダストやダニ、カビといった微生物も直径5μm以上なので、HEPAフィルターであれば99.97%これらをキャッチできる性能を持っているといえます。
2020年初頭から世界中で感染拡大している新型コロナウイルスは、今も様々な研究が進められていますが根絶には至っていません。特に空気感染の可能性があるため、空気清浄機で対応ができないか気になるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ウイルスは細菌と違い生物ではありません。基本的に他の生物の細胞に寄生して増殖するため、治療法がないウイルスが多く存在します。そのため、ウイルスに感染しないことが一番の対処法といえます。
結論からいうと、コロナウイルスを死滅させることはできませんが、HEPAフィルターでウイルスを捕集することは可能です。それによってウイルスを封じ込め、他への感染を防ぐことができます。そのため、HEPAフィルターを使用した空気清浄機やパーテーションは、感染症外来協力医療機関への補助金の対象となっています。また、ダイオキシンやアスベストなど、人体に悪影響を及ぼす物質もHEPAフィルターを使用すれば対策が可能です。
ULPAフィルター
Ultra Low Penetration Air Filterの略で、HEPAフィルターよりも高性能です。その性能は、JIS規格で「定格風量で粒径が0.15μmの粒子に対して99.9995%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と定義しています。
それなら、空気清浄機はULPAフィルターを採用する方が良さそうですが、ULPAフィルターはHEPAフィルターよりも空気を通しにくいデメリットがあり、ULPAフィルターだと風量が小さくなります。
空気清浄機では、風量の大きさは重要であり、風量が大きければ吸い込む空気の量も大きいので、空気に含まれる粒子を除去する能力が高まります。
また、HEPAフィルターは工場等にあるクリーンルームでも使われるほど高性能であり、空気清浄機にとってはHEPAフィルターの性能で十分です。
まとめると、空気清浄機にとってはHEPAフィルターの性能で十分であり、ULPAフィルターにして風量が小さくなるよりはHEPAフィルターにして風量を大きくする方が良いため、HEPAフィルター付きの空気清浄機が多く、ULPAフィルター付き空気清浄機が少ないです。